本記事では岸田政権下で発案された資産所得倍増プランの中身を見ていきましょう。
「新しい資本主義」の実現ッッ!
「新しい資本主義」の実現に向けた取組の方針として、家計に眠る現預金を投資につなげ、家計の勤労所得に加え金融資産所得も増やしていくことが重要である。と定めています。
あなたが貯めたそのタンス貯金や銀行預金を投資して資産を増やしましょう!と政府が言っているわけです。次に、その理由である他国との比較を見てみましょう。
日本の家計の投資割合は19.1%。アメリカは54.3%。イギリスは42.4%
金融庁が作成した資料の抜粋です。日本では、投資信託と株式投資を合わせて19.1%。アメリカでは54.3%、イギリス42.4%の比率で投資されています。
ちなみに26.6%の”その他”は何かわかりませんでした。積み立て型の保険、債券とか、金とかでしょうか。
また、実際に投資をしている人での投資比率はもっと高いと思われます。つまり、1円も投資していない人が相当数いるということです。
政府が掲げる倍増目標
資産所得倍増プランの目標として、第一に、投資経験者の倍増を目指す。具体的には、5年間で、NISA 総口座数(一般・つみたて)を現在の 1,700 万から 3,400 万へと倍増させることを目指して制度整備を図る。
引用元:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/sisanshotoku_dai3/index.html
2022 年 6 月末時点でNISA(一般・つみたて) 総口座数は1700万口座開設されているようです。この口座数を5年間で倍増させると。いや、そういう倍増なんかい!
一人で複数の口座を持つことはできませんから、現在の7人に1人NISA口座を開設している状況から3.5人に1人まで伸ばすということですね。
自分の所感は、現在の7人に1人でも多いと感じました。日本人は人前でお金の話を避ける人が多く、お金に興味なさそうな隣のあの子も実はバリバリ積み立て投資しているのかも!?
2022年12月末の速報値では1804万口座とのことです。半年で100万口座増えていますね。5年間で1700万口座増加を狙うには1年あたり340万口座ペースが必要ですから、これを加速させるための新NISA、いやシン・NISA、神(しん)NISAなわけです。
第二に、投資の倍増を目指す。具体的には、5年間で、NISA 買付額を現在の 28 兆円から 56 兆円へと倍増させる。その後、家計による投資額(株式・投資信託・債券等の合計残高)の倍増を目指す。
引用元:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/sisanshotoku_dai3/index.html
2022 年 6 月末時点でNISA(一般・つみたて)の買付総額は28兆円あるようです。この総額を5年間で倍増させると。いや、だからそういう倍増なんかーい!
上記の通り、1700万口座で28兆円の運用がされているとなると、単純計算で一人当たり約165万円となります。この規模を維持したまま口座数が倍増すれば、NISA運用額も倍増にはなりますね。
実際には、NISA枠上限まで使っている方や、少額で1万円ずつつみたてている方など幅がありますので、中央値は異なると思います。あなたのNISA口座は165万円以上運用できていますか??
金融庁試算のシュミレーション
上のグラフは金融庁が作成した「日経平均最高値の翌月から日経平均に毎月積立投資をした場合」、つまり、バブル崩壊前から2022年4月末時点までの約32年間毎月1万円つみたて投資を続けた場合のシュミレーションです。
総積立額388万円に対し、資産評価額695万円。+307万円(+80%)倍増とまではなりませんが、確実に資産は増えることを示しています。
ただし、注釈に書かれている「なお、税金・手数料等は考慮していない。」は気にかかりますね。資産形成において、税金・手数料はおおいに考慮すべきです。
次に別パターンのシュミレーション結果を見てみましょう。
2000年から2022年まで22年間、日経平均にインデックス投資した場合のシュミレーションです。
①毎月2万円(年間24万円)、②毎月5万円(年間60万円)、③毎月2万円+ボーナス10万円(年間34万円)の3パターンで、いずれも資産は倍増するシュミレーションです。
バブル崩壊後、デフレが続いていた日本でも長期間にわたり堅実につみたて投資を続ければ、資産が増えることが過去のデータで示すことが出来ます。日銀の買い支えなどが大きいと思いますが。。
まとめ
政府が掲げる「資産所得倍増プラン」
- 日本の家計の投資割合を現在の19.1%から倍増し、欧米諸国並みの割合を目指す。
- NISA 総口座数を1700万口座から3400万口座へ倍増を目指す。
- NISA 買付額を28兆円から56兆円へ倍増を目指す。
- 過去20年間、日経平均にインデックス投資した場合、資産は倍増となるシュミレーションとなる。
これらを実現するために打たれた最大の1手が新NISA、いやシン・NISA、神(しん)NISAです。活用して資産倍増させていきたいですね!
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